通信制高校の在籍期間について

高校をはじめとした教育機関には、その学校に籍を置いていた「在籍期間」と呼ばれるものがあります。これによって卒業できるかどうかなど色々な問題が出てくるのですが、通信制高校においても在籍期間は存在しています。

そこで今回は、通信制高校では在籍期間はどの程度あればいいのか、全日制や通信制の在籍期間が引き継げるのかなど、在籍期間に関する疑問を解説していきます。

色々なデータを参考にして理想的な通信制高校を見つけよう

そもそも在籍期間とは?

在籍期間とは、その組織に所属している期間のことを指しています。会社の場合は企業に雇用されている期間のことを指していて、学校の場合は学校の生徒として所属していた期間になります。このため高校の在籍期間とはその高校の生徒として籍がある時期のことを言い、高校を卒業するためには最低でも36か月以上の在籍期間が必要です。

ちなみに通信制高校を卒業するために必要な在籍期間は最低でも3年以上と設定されていて、在籍期間が3年以下だった場合はほかの卒業できる条件を満たしていても卒業することはできません。この在籍期間は単純に出席している期間をカウントするだけではなく、単純な欠席や停学などの謹慎処分中であってもカウントされます。

ただし休学届を提出して休学している期間は在籍期間としてカウントされず、退学した場合は退学処分となった翌日以降は除籍されることから在籍期間のカウントは行われなくなります。この点を踏まえて、それぞれの高校に必要な在籍期間を満たしているのかどうか検討しなければいけないのです。

通信制高校の卒業に必要な在籍期間について

前述したように、通信制高校を卒業するために必要な在籍期間は3年以上と定められています。ただこの3年以上の在籍期間は、通信制高校に所属している期間のみを指しているわけではありません。通信制高校に通っている生徒の中には、以前に全日制や定時制の高校に通っていた経歴を持っている場合がありますよね。

そのような場合は、前の高校に在籍していた期間と通信制高校に在籍している期間を合わせても構わないとされています。つまり、それぞれの高校の在籍期間を総合して3年以上の在籍期間があれば通信制高校を卒業することが可能なのです。

このため通信制高校に通っている生徒によっては、1年で卒業できる場合もあります。ただ過去にほかの高校に在籍していた経験がないという場合には通信制高校に3年以上在籍しなければいけませんし、ほかの高校に通っていた場合でもどの程度の在籍期間があったのか計算しなければいけません。

特に前の高校を休学してから通信制高校に編入している場合は、在籍期間の計算をしっかりしておかなければ卒業に必要な在籍期間を獲得できない場合もあるので注意が必要です。

通信制高校は3年在籍すれば必ず卒業できるわけではない

ここで注意しなければいけないのは、3年以上の在籍期間はあくまでも通信制高校を卒業するために必要な条件の一つだという点です。実は通信制高校を卒業するためには、3年以上の在籍期間のほかにも最低でも74単位を取得しておくことが条件となっています。

そのため3年間の在籍期間をクリアすれば誰でも卒業できるというわけではないので、生徒によっては3年以上の在籍期間を経て卒業するというケースもあるのです。逆に言えば3年の在籍期間で必ず卒業しなければいけないわけではないというメリットにもなっているため、ある程度自分のペースで高校に通うことができる点が通信制高校の大きな特徴とされています。

ちなみに全日制や定時制の高校は在籍期間に6年から8年の上限を設けているのに対して、通信制高校の多くは在籍期間に制限を設けていません。これは通っている生徒のペースに合わせるための配慮と考えられていて、最低限卒業に必要な74単位を取得するために何年かけても構わないとしているようです。

なお在籍期間同様に単位も前の高校のものを合算することができるため、生徒によってはさらに短期間で卒業できることもあります。

通信制高校の最短在籍期間と最長在籍期間

通信制高校を卒業するのにかかる最短の在籍期間は、ほかの高校で在籍期間がどの程度あったのかで異なります。例えばほかの高校に2年間の在籍期間があった場合は、通信制高校に1年間通っていれば卒業に必要な在籍期間を獲得することができます。

またほかの高校での在籍期間がなかったとしても、最短で3年間在籍していれば卒業することは可能です。このため最短の在籍期間は1年から3年とされており、その期間内に必要な単位を取得しておけば高卒の資格を取得することができるようになります。

対する最長の在籍期間については、通信制高校の卒業に関する制度やシステムを考えると何年でも在籍できるのではないかと思われますよね。これに関しては通信制高校側も早く生徒に卒業してほしいという思いがあるため、ずっと在籍することができるというわけではないようです。

実は通信制高校の中には、全日制や定時制の高校と同じく6年から8年の在籍期間の上限を設けているところがあります。

上限を超えるとほかの通信制高校や全日制・定時制高校への編入または休学を提案されることがありますし、上限を設定していない通信制高校でも在籍期間が長くなると編入や休学を提案されることが少なくありません。このように通信制高校の最長在籍期間は具体的には不明ですが、1つの通信制高校で6年から8年程度が上限になりやすいようです。

通信制高校の在籍期間のポイント

このように通信制高校にも在籍期間に関する様々な取り決めがあるのですが、全日制や定時制の高校と違って出席日数などが関わっていないところが通信制高校の在籍期間のポイントです。全日制や定時制の高校の場合は出席日数なども在籍期間に影響してくるのですが、通信制高校の場合はスクリーニングと呼ばれる出席しなければいけない日を除けばほとんど学校に行く必要がありません。

そのため在籍期間はあくまでも高校に在籍している期間のことを指しているので、スクリーニングの日程に注意しながら期間を計算していきます。またスクリーニングの日程をしっかり確認しておけば、通信制高校に在籍している期間中に留学することも可能です。

この時もスクリーニングの日程にかぶらずに必要な単位を取得しておけば、留学中も在籍期間にカウントすることができます。うまく活用することで充実した高校生活を満喫できるため、在籍期間のカウントやスクリーニングの日程を意識しておくことが大切です。